保育のお仕事パーフェクトガイド

チャイルドシートの卒業時期にはご用心、年齢ではなく身長で判断しよう

小学校への入学をきっかけに、チャイルドシートを卒業しようと考える家庭もあるかもしれません。
しかし、法律上の義務と安全の目安は同じではありません。
子どもの命を守るため、年齢だけでは判断できない車内の安全について考えます。

「6歳になったから卒業」ではない

道路交通法でチャイルドシートの使用が義務付けられているのは6歳未満です。
そのため、「小学生になったから普通のシートベルトで大丈夫」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
国際交通安全学会の研究会が昨年行った調査では、6歳未満の使用率が8~9割だったのに対し、6歳以上では7割弱でした。
使用しない理由で最も多かったのは、「法律で義務づけられているのが6歳未満のため」で37.1%でした。
私自身も「法律上の義務がなくなる年齢」が一つの安全基準だと思いがちなので、この結果には考えさせられます。
義務がなくなることと、子どもの体がシートベルトに適した大きさになることは、分けて考える必要がありそうです。

JAFが示す目安は「身長150センチ未満」

日本自動車連盟(JAF)は2024年9月、チャイルドシートの使用を推奨する身長を「140センチ未満」から「150センチ未満」に引き上げました。
大人がシートベルトを正しく着用すると、肩ベルトは肩と胸の骨の上を通り、腰ベルトは骨盤の上を通ります。
一方、身長が十分ではなく骨格も成長途中の子どもの場合、事故の衝撃によって肩ベルトが首を、腰ベルトが腹部を圧迫することがあります。
同じ6歳でも体格には違いがあります。
年齢だけではなく、身長を含めて判断する必要があるという点は、子育てをする家庭にもっと知られてほしい情報だと感じます。

シートベルトをしていても安心とは限らない

2024年8月、福岡市で7歳と5歳の姉妹が亡くなる交通事故がありました。
2人はシートベルトを着用していましたが、チャイルドシートは使用していませんでした。
運転していた母親の裁判では、チャイルドシートを適切に使用していれば、内臓損傷には至らなかった可能性があるという法医学の医師の見解が示されています。
また、交通事故総合分析センターは、シートベルトを着用し、チャイルドシートを使わずに事故で亡くなった6~19歳の64人を分析しました。
6~12歳は13~19歳と比べ、腹部が致命傷となった割合が3倍高いという結果でした。
「シートベルトを着けているから大丈夫」と考えてしまいそうですが、子どもの体格によっては十分ではないことに驚かされます。

子どもの成長に合わせて安全を考える

東京都渋谷区のチャイルドシート専門店「チャイルドシートラボ」では、小学生向けのシートを購入する保護者が2年前から増えているといいます。
子どもが成長すると、できることが増え、親としても少しずつ大人と同じように扱えると感じる場面が増えてきます。
しかし、車内の安全については「小学生になった」「6歳になった」という区切りだけで判断しないことが大切です。
チャイルドシートをいつ卒業するか迷ったときには、法律上の年齢だけでなく、JAFが示す「身長150センチ未満」という目安にも目を向けたいところです。
行楽などで車に乗る機会があるときこそ、子どもの現在の体格に合った安全対策になっているか、改めて確認したいと感じます。