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みんな納得できる?2026年度スタート「子育て支援金」

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少子化が進行する中、政府は「異次元の少子化対策」として、さまざまな子どもや子育て支援策を提案しています。
その財源の一部として導入されるのが「子ども・子育て支援金(以下、支援金)」です。
この新しい制度では、医療保険料とともに、独身者や高齢者を含む全世代が負担する形となり、来年度から徴収が始まります。
どのような仕組みになっているのでしょうか。
(※2025年11月23日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

少子化対策としての支援金徴収と使途

政府は、若年人口が急減する2030年代に向けて「少子化傾向を反転できるラストチャンス」とし、「こども未来戦略」を2023年末に決定し、既に給付を始めています。
例えば、2024年10月から児童手当の支給が大幅に拡充され、所得制限が撤廃され、中学生から高校生まで支給期間が延長され、第3子以降は月額3万円に増額されました。
こども未来戦略の予算規模は年3.6兆円で、その財源は主に3つの方法で確保されています。
一つは社会保障の歳出改革で1.1兆円程度、既存の予算活用で1.5兆円、そして「支援金」として医療保険料を合わせて1兆円程度を徴収します。
支援金の使い道には、児童手当の拡充をはじめ、妊産婦への10万円相当の支給や、夫婦で育児休業を取得する際の手取り10割の給付、保護者が働いていなくても一定時間保育所を利用できる「こども誰でも通園制度」の導入(2026年度から)などがあります。
支援金の総額は2026年度に6000億円、2027年度に8000億円、2028年度に1兆円と段階的に引き上げられます。
負担額は、加入者数や収入に応じて決まります。
2024年にこども家庭庁が公表した試算によると、2028年度に支援金が1兆円に達した場合、全保険加入者1人あたりの月額は450円となります。
会社員が加入する被用者保険全体では500円、自営業者が加入する国民健康保険(国保)では400円、75歳以上の後期高齢者医療制度では350円となる見込みです。
ただし、注意すべきは、加入者には保険料を負担しない子どもなども含まれる点です。
実際に支援金を負担する被保険者1人あたりでは、中小企業の会社員が加入する協会けんぽで月額700円、大企業の健康保険組合で850円、公務員の共済組合で950円となります(いずれも会社と従業員が半分ずつ負担する金額)。
2028年度には、月額ベースで支払う支援金は、医療保険料の約4~5%に相当する見込みです。
協会けんぽの場合、被保険者1人あたりの医療保険料は1万6300円で、支援金はその4.3%にあたる700円となります。
来年度の支援金負担額について、健康保険組合連合会は、標準報酬月額の0.24%ほどと試算しています。
例えば、標準報酬月額が50万円の場合、被保険者1人あたりの負担額は600円(会社と従業員で半分ずつ負担)となります。
政府は、今年末の予算編成過程で、被用者保険で徴収される支援金の負担割合を示す一律の「支援金率」を決定する予定です。

支援金の財源確保に向けた課題と議論

支援金に関して、SNS上では「独身税」といった批判が上がっていますが、これは適切ではありません。
負担するのは独身者だけでなく、子育てを終えた高齢者を含む全世代です。
一方で、制度導入に向けた国会での審議では「社会保険料の目的外使用」や「事実上の増税」といった指摘も相次いでいます。
政府は、少子化や人口減少が日本の社会経済全体にとって重大な課題であり、支援金を活用する事業は直接的に利益を受けない国民にとっても意義があると説明しています。
また、国民の負担増加については、「実質的な負担は生じない」としており、介護や医療の窓口負担の軽減、賃上げによる社会保険料の負担軽減の中で支援金を集めることができるとしています。
しかし、この道は決して平坦ではありません。
2026年度の徴収額は6000億円を予定しており、これまでに政府は4400億円の削減に成功していますが、今年末の予算編成でもさらに1600億円の削減が求められています。
今後のさらなる歳出削減に向けては、高齢者の医療や介護の窓口負担割合の見直しや、金融所得・金融資産の保険料への反映など、厳しい議論が待ち受けています。