保育園における「お昼寝時間」は、子どもの発達や体調を整える大切な時間です。しかし、年齢や個性によって必要な睡眠時間は異なり、「なかなか寝ない子」への対応に悩む保育士さんも多いのではないでしょうか。
年齢別のお昼寝時間の目安と、寝ない子への工夫についてまとめました。
年齢別お昼寝時間の目安
0歳児(乳児)
・目安:午前・午後あわせて3〜4時間程度
・発達段階によって睡眠リズムが安定せず、こまめに寝る子が多い。
・授乳後にすぐ眠るなど、個別対応が必要。
1歳児
・目安:2〜3時間程度
・午後にまとまったお昼寝を取れるようになってくる時期。
・園生活に慣れることでリズムも少しずつ整ってくる。
2歳児
・目安:1.5〜2時間程度
・午後にしっかり休むことで夕方以降も安定した活動が可能に。
・体力差が大きいため、眠れない子も出てくる時期。
3〜4歳児
・目安:1〜1.5時間程度
・就学に向けて昼寝が短くなる。
・必要のない子は「静かに休息する時間」として過ごすケースも。
5歳児(年長)
・目安:なし〜30分程度
・体力がつき、昼寝をしない子が増える。
・お昼寝は必須ではなく「休憩」としての位置づけが多い。
寝ない子への対応4つのポイント
1. 無理に寝かせない
・子どもによっては昼寝が必要ない場合も。
・「寝なさい」と強制するのではなく、横になって体を休めるだけでも十分。
2. 静かに過ごせる環境づくり
・絵本を見る
・積み木やパズルなど静かな遊びを用意する
・個別にコーナーを作って過ごせるようにする
3. 生活リズムの確認
・家庭での夜の就寝時間が遅いと昼寝が必要になるケースも。
・保護者と連携し、家庭と園のリズムをすり合わせる。
4. 落ち着ける雰囲気を工夫
・照明を落とす、オルゴールや環境音を流すなど、眠りやすい空間を演出。
・先生がトントンして安心感を与えるのも効果的。
保護者に伝えるときの4つのポイント&声掛け例
お昼寝の様子は家庭での生活リズムにも大きく関わります。保護者への伝え方を工夫することで、安心感を持ってもらい、協力も得やすくなります。
1. 「寝なかった=悪いこと」ではないと伝える
「今日は眠れなかったのですが、横になってしっかり体を休められていましたよ。」
「眠れなくても静かに過ごせる時間を大切にしていますので、ご安心ください。」
2. 家庭とのリズムをすり合わせる
「最近お昼寝が短めになってきています。ご家庭では夜の寝つきはいかがですか?」
「園とご家庭のリズムを合わせられると、さらにお子さんが安定して過ごせるかもしれません。」
3. 子どもの成長として前向きに伝える
「以前はぐっすり寝ていましたが、最近は体力がついてきて少しずつ起きている時間が増えてきましたね。」
「成長の一段階として昼寝が短くなってきているようです。小学校に向けた準備にもなりますね。」
4. 工夫や配慮を共有する
「眠れなかった分は静かな遊びをして過ごしました。集中して絵本を見ていましたよ。」
「落ち着けるように環境を工夫していますので、安心してお任せください。」